君がいなけりゃ、意味がない

9'



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「あ、おはよう神崎くん。
どうだった?夏季休暇……って。なんか焼けた?」


「先輩はまっちろっすね」


「守りたい。この不健康な肌色」


「引きこもりの勲章?」


「それぞれの夏があるよね」


「いうて俺も、そんな夏を満喫したわけやないですよ。
実家帰って、色々手伝いさせられてたらこーなった」


「そうなんだ。えらいね」


「まあね」


「じゃあ、来月が今年はじめての花火?」


「どういう意味?」


「あ、そっか。まだ見てないか、お知らせ。
来月のイベントは『[花火大会]を会社でみよう』だってさ」


「えらいポップなお知らせやな。
室内で観れるの、ええですね」


「ほらみて。きゅうりの一本漬け、用意してくれるんだって」


「うわぁ。アテにして食べてぇ〜」


「食べてぇ〜」


「先輩、飲めへんやん」


「ラムネ持参するもん。神崎くんの分もいる?」


「最高の夏やなぁ」


「やば。私、今日朝礼当番なんだった!
業連まだ全部見てないよーーー」


「えー、あと5分っすよ。さっさと見てください。
俺、メールの方みたげるから」


「ありがとう……!良い後輩を持ったなぁ」


「そう思うなら、いい加減希望だしてほしいなぁ」


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