逃げ道を探すには遅すぎた
「朝ご飯はどこかに食べに行こうかな〜」

朝ご飯というよりブランチだけど。私が住んでいるマンションの周りには昔ながらの喫茶店が多い。おいしいランチがたくさん食べられる。

ベッドの上で大きく寝起きの犬みたいに伸びをして、着替えようかと思っていたその時、ドタンバタンと大きな物音がリビングの方から聞こえてきた。

(えっ?何?)

すごい音は隣の部屋とかじゃなくて、間違いなく私の部屋からした。こんな真っ昼間に泥棒って来るの?緊張しつつ、いつでも通報できるようにスマホをパジャマのポケットに入れておく。

ゆっくりとリビングに向かうと、何やら声が聞こえてくる。声は二つ。どうやら二人組のようだ。でも言葉は日本語じゃない。しかも大人の男の人にしてはやけに高い。

「誰!?」

少し迷ったけど、意を決してリビングのドアを勢いよく開ける。するとそこには私の想像とは違う人物がいた。私よりも十センチ以上背の低い男の子だ。思わず「は?」って声が出ちゃった。

一人は青い髪に青い目。服装は白いシャツの上にサスペンダー。もう一人は金髪に赤い目。こちらはリボンタイをきっちり結んだ高そうなスーツを着ている。
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