【長編】寂しがり屋たちは、今日も手を繋いだまま秒針を回した
友達のことを話す菅谷くんはいつも教室の真ん中にいる時のような雰囲気を感じた。
「ずっと楽しくて、アホなことばっかやって笑ってた。でも部活でちょっとへこむことがあった時があって、ついクラスのやつに愚痴を言っちゃったんだ。そしたら、『大丈夫だって!菅谷の明るさならどんなことも倒せる!』って」
菅谷くんが見つめているカーテンの隙間から光が少しだけもれていた。
「そいつは慰めてくれただけだし、勿論嬉しかったんだけど……『みんな明るい俺が良いんだ』っていうことを意識したら、ズンって心が重くなったのを感じた。それから、あんまりうまく笑えなくて……そしたら教室で友達が話しているのが聞こえたんだ」
「『最近、菅谷が菅谷らしくねぇよな』って。『一緒にいても楽しくない』って。勿論そいつらは中学の友達で草野じゃないんだけど……なんかその日から誰も信頼できなくて、ずっと『明るい』まま生活してる」
「ずっと楽しくて、アホなことばっかやって笑ってた。でも部活でちょっとへこむことがあった時があって、ついクラスのやつに愚痴を言っちゃったんだ。そしたら、『大丈夫だって!菅谷の明るさならどんなことも倒せる!』って」
菅谷くんが見つめているカーテンの隙間から光が少しだけもれていた。
「そいつは慰めてくれただけだし、勿論嬉しかったんだけど……『みんな明るい俺が良いんだ』っていうことを意識したら、ズンって心が重くなったのを感じた。それから、あんまりうまく笑えなくて……そしたら教室で友達が話しているのが聞こえたんだ」
「『最近、菅谷が菅谷らしくねぇよな』って。『一緒にいても楽しくない』って。勿論そいつらは中学の友達で草野じゃないんだけど……なんかその日から誰も信頼できなくて、ずっと『明るい』まま生活してる」