【長編】寂しがり屋たちは、今日も手を繋いだまま秒針を回した
金曜日まで空いていた菅谷くんの席が埋まっていることが嬉しくて、それだけでもう十分だった。
その日の授業は何故か早く感じて、あっという間に放課後になってしまう。私がスクールバッグに教科書をしまって帰る準備をしていると、スマホに通知が来ていた。
スマホを開くと、菅谷くんからメッセージが入っている。
「案外、来てみたら大丈夫だった」
私はパッと顔を上げて、菅谷くんの席に目を向ける。菅谷くんと目が合うと、菅谷くんが少しだけ笑ったのが分かった。
同じ教室にいても、顔を合わせて話すわけじゃない。スマホ越しのメッセージなのに、届いたメッセージの内容を見るだけで嬉しくて堪らない。
私は菅谷くんに「良かった」と短いメッセージを返した。菅谷くんが自分のスマホの通知音に気づいて手に取ろうとした瞬間、菅谷くんを草野くんが呼んだ。
「菅谷、今度遊びに行かね?復帰祝い!」
菅谷くんと草野くんはそのまま二人で楽しそうに話している。私はその光景を微笑ましく思いながら、帰り支度を終わらせた。
しかし、スクールバッグを持ち上げた瞬間に聞こえた草野くんの声に私は固まった。
その日の授業は何故か早く感じて、あっという間に放課後になってしまう。私がスクールバッグに教科書をしまって帰る準備をしていると、スマホに通知が来ていた。
スマホを開くと、菅谷くんからメッセージが入っている。
「案外、来てみたら大丈夫だった」
私はパッと顔を上げて、菅谷くんの席に目を向ける。菅谷くんと目が合うと、菅谷くんが少しだけ笑ったのが分かった。
同じ教室にいても、顔を合わせて話すわけじゃない。スマホ越しのメッセージなのに、届いたメッセージの内容を見るだけで嬉しくて堪らない。
私は菅谷くんに「良かった」と短いメッセージを返した。菅谷くんが自分のスマホの通知音に気づいて手に取ろうとした瞬間、菅谷くんを草野くんが呼んだ。
「菅谷、今度遊びに行かね?復帰祝い!」
菅谷くんと草野くんはそのまま二人で楽しそうに話している。私はその光景を微笑ましく思いながら、帰り支度を終わらせた。
しかし、スクールバッグを持ち上げた瞬間に聞こえた草野くんの声に私は固まった。