【長編】寂しがり屋たちは、今日も手を繋いだまま秒針を回した
それでも、今日も菅谷くんの周りには沢山の友達がいた。周りに迷惑をかけないために「一人」を選んだのは私なのに、すぐに寂しさは顔を出す。
その時、スマホがピコンと鳴った。私はいつも家に帰るとすぐにスマホの通知音をオンにする。一瞬の気の紛らわしにしかならない通知音すら、寂しさを埋めてくれる道具の一種なのだ。
スマホを開くと、オリエンテーションの班のグループに草野くんがメッセージを送っている。
「今度、四人で遊びにいかない?」
私はそのメッセージにすぐに返信することが出来なかった。
いつも使っているメモ帳を見返せば、いつでも入学前に決めた目標を見返せる。
・「頻発性哀愁症候群」を治すこと
・周りの人にこれ以上絶対に迷惑をかけないこと
・高校を無事卒業すること
何一つ良くなっていない「頻発性哀愁症候群」、周りの人に迷惑をかけたくないくせに新入生オリエンテーションで私は菅谷くんに保健室に連れて行ってもらった。私はカレー作りを手伝うことすら出来なかった。
何も達成できていないまま、周りの優しさを返せないまま、周りからの優しさだけが降り積もっていく。
その時、スマホがピコンと鳴った。私はいつも家に帰るとすぐにスマホの通知音をオンにする。一瞬の気の紛らわしにしかならない通知音すら、寂しさを埋めてくれる道具の一種なのだ。
スマホを開くと、オリエンテーションの班のグループに草野くんがメッセージを送っている。
「今度、四人で遊びにいかない?」
私はそのメッセージにすぐに返信することが出来なかった。
いつも使っているメモ帳を見返せば、いつでも入学前に決めた目標を見返せる。
・「頻発性哀愁症候群」を治すこと
・周りの人にこれ以上絶対に迷惑をかけないこと
・高校を無事卒業すること
何一つ良くなっていない「頻発性哀愁症候群」、周りの人に迷惑をかけたくないくせに新入生オリエンテーションで私は菅谷くんに保健室に連れて行ってもらった。私はカレー作りを手伝うことすら出来なかった。
何も達成できていないまま、周りの優しさを返せないまま、周りからの優しさだけが降り積もっていく。