【長編】寂しがり屋たちは、今日も手を繋いだまま秒針を回した

「川崎さん。遊ぶ日程が決まったら連絡するから、もし来れそうだったら来て。当日、来れそうだったらでいいから。勿論無理しなくていいよ。基本的に来ないと思って遊んでる。草野と美坂さんには俺から上手く伝えとくから」

 私は菅谷くんの言葉に返事が出来ないまま、菅谷くんは「じゃあ、また明日」と言って電話を切ってしまう。
 翌日の夜、菅谷くんから「6月2日10時」と送られてきた後、集合場所に最寄りの駅前と書かれている。最後に「一応送っとく」とメッセージが届く。
 きっとこの「一応」は私が断りやすいように書いてくれている。その優しさが嬉しくて、はっきり断ろうと思っているのに決断を後回しにしてしまっている自分がいた。
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