【長編】寂しがり屋たちは、今日も手を繋いだまま秒針を回した
十六章
 6月2日9時。
 約束の時間まで一時間。私は自分の部屋で座ることも出来ずに、立ち上がってウロウロと部屋を歩き回ってしまう。
 チッチッと時計の秒針の音がいつもより大きく聞こえる気がする。でも、頻繁(ひんぱん)に時計を確認しても時間は全然進んでいない。

「どうしよ……」

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