【長編】寂しがり屋たちは、今日も手を繋いだまま秒針を回した
十七章
 四人で遊びに行った日の夜、ある夢を見た。

 小学校低学年くらいの小さな女の子が、両親と楽しそうに遊んでいる。ああ、あの子は昔の私だ。
 女の子はブランコを父親に後ろから押してもらい、母親はその光景を笑顔で見ている。こんな時期もあったんだ。もうずっと前に忘れてしまっていた。

「奈々花、そろそろ帰りましょ」
「やーだ!もっと遊びたい!」
「もう、我儘言わないの」

 そう怒りながらも両親は、何処か幸せそうだった。

 場面が変わり、リビングで家族三人で話している。

「奈々花、一人でお留守番出来る?」
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