【長編】寂しがり屋たちは、今日も手を繋いだまま秒針を回した
「そう。良かった……奈々花、お母さんは心配しすぎかもしれないわね」
「え……?」
「今、奈々花に『絶対に進んでる』と言ったのは私なのに、まだ心配性が抜けなくて……」
お母さんは恥ずかしそうに笑った。
「大丈夫だよ。本当に大丈夫」
気の利いたことが言えなくて、私はそう返すことしかできなかった。それでもお母さんは嬉しそうに笑って、「さ、そろそろ夕飯の準備しないとね」と言って立ち上がった。
私が自分の部屋に戻ると、スマホにメッセージが来ていた。オリエンテーションの班のグループに菅谷くんがメッセージを送っている。
「今度サッカー部の練習試合があるんだけど、川崎さんと美坂さん見に来ない?」
いつもならすぐに出来ない返信をその日はすぐに「行く」と返していた。
「え……?」
「今、奈々花に『絶対に進んでる』と言ったのは私なのに、まだ心配性が抜けなくて……」
お母さんは恥ずかしそうに笑った。
「大丈夫だよ。本当に大丈夫」
気の利いたことが言えなくて、私はそう返すことしかできなかった。それでもお母さんは嬉しそうに笑って、「さ、そろそろ夕飯の準備しないとね」と言って立ち上がった。
私が自分の部屋に戻ると、スマホにメッセージが来ていた。オリエンテーションの班のグループに菅谷くんがメッセージを送っている。
「今度サッカー部の練習試合があるんだけど、川崎さんと美坂さん見に来ない?」
いつもならすぐに出来ない返信をその日はすぐに「行く」と返していた。