【長編】寂しがり屋たちは、今日も手を繋いだまま秒針を回した
「繋ごう。『寂しくない。大丈夫』って前に川崎さんが言ってくれたみたいに俺にも言わせて」
甘えたくない、という感情が顔を出した。甘えるということは周りの人に迷惑をかけるのと一緒な気がした。
「本当に大丈夫!もう治まったから」
下手の嘘を重ねても意味はないのに、言葉は止まらない。
「最近、結構病状にも慣れてきてるから」
菅谷くんは嘘だと気づいているのに「そっか。分かった」と言ってくれた。それなのにさらにグッと胸が苦しくなって、症状が酷くなっていく。笑い方がぎこちなくなっていく。
こんなに寂しいのに、泣きたいのに、周りに迷惑をかけたくなさすぎて頼り方すら分からない。
「川崎さん、俺、症状出てきたかも」
「え……?」
「手、繋いでくれない?」
その菅谷くんの嘘が……優しさが、嬉しいのに悔しくて。結局、迷惑をかけてしまう自分が嫌で嫌で涙が溢れた。
「本当に大丈夫だから!迷惑かけたくないの……」
溢れ出した「迷惑をかけたくない」だけは本心だった。
「本当に迷惑をかけたくないだけなの。周りの人まで苦しめてしまうのが怖い」
甘えたくない、という感情が顔を出した。甘えるということは周りの人に迷惑をかけるのと一緒な気がした。
「本当に大丈夫!もう治まったから」
下手の嘘を重ねても意味はないのに、言葉は止まらない。
「最近、結構病状にも慣れてきてるから」
菅谷くんは嘘だと気づいているのに「そっか。分かった」と言ってくれた。それなのにさらにグッと胸が苦しくなって、症状が酷くなっていく。笑い方がぎこちなくなっていく。
こんなに寂しいのに、泣きたいのに、周りに迷惑をかけたくなさすぎて頼り方すら分からない。
「川崎さん、俺、症状出てきたかも」
「え……?」
「手、繋いでくれない?」
その菅谷くんの嘘が……優しさが、嬉しいのに悔しくて。結局、迷惑をかけてしまう自分が嫌で嫌で涙が溢れた。
「本当に大丈夫だから!迷惑かけたくないの……」
溢れ出した「迷惑をかけたくない」だけは本心だった。
「本当に迷惑をかけたくないだけなの。周りの人まで苦しめてしまうのが怖い」