【長編】寂しがり屋たちは、今日も手を繋いだまま秒針を回した
「まず、二週間後の校外オリエンテーションのプリントを今日配るから必ず確認することー」
川北先生が列ごとにプリントを配っていく。配られたプリントには「新入生オリエンテーション」と大きな文字で書かれている。
新入生オリエンテーションは一泊二日。担任の川北先生には事前に私の病気のことは伝えてある。休むことも可能だろうし、元々そのつもりだった。
でも……その時、何故か菅谷くんの席に目を向けてしまった。菅谷くんは楽しそうに友達とプリントを見ながら話している。
大丈夫だろうか。私なんかが心配してもどうにもならないことは分かっている。それでも、菅谷くんをこのまま放っておくことはしたくなかった。
うん、次の休み時間は絶対に菅谷くんに声をかけよう。
そう決意した後の一時間目はどこか集中出来なくて、いつもより終わるのが長く感じた。
キーンコーンカーンコーン。
「あの……!菅谷くん!」
「川崎さん、どうしたの?」
一時間目が終わってすぐに私は菅谷くんの机に駆け寄った。
「ちょっと話があって……教室じゃなくて、別の場所で……」
川北先生が列ごとにプリントを配っていく。配られたプリントには「新入生オリエンテーション」と大きな文字で書かれている。
新入生オリエンテーションは一泊二日。担任の川北先生には事前に私の病気のことは伝えてある。休むことも可能だろうし、元々そのつもりだった。
でも……その時、何故か菅谷くんの席に目を向けてしまった。菅谷くんは楽しそうに友達とプリントを見ながら話している。
大丈夫だろうか。私なんかが心配してもどうにもならないことは分かっている。それでも、菅谷くんをこのまま放っておくことはしたくなかった。
うん、次の休み時間は絶対に菅谷くんに声をかけよう。
そう決意した後の一時間目はどこか集中出来なくて、いつもより終わるのが長く感じた。
キーンコーンカーンコーン。
「あの……!菅谷くん!」
「川崎さん、どうしたの?」
一時間目が終わってすぐに私は菅谷くんの机に駆け寄った。
「ちょっと話があって……教室じゃなくて、別の場所で……」