【長編】寂しがり屋たちは、今日も手を繋いだまま秒針を回した
「うん」
「じゃあ、今の雨が止んでるうち駅に行っておいた方がいいよ」
菅谷くんが立ち上がった。
「俺、着替えもあるから先帰ってて」
菅谷くんが更衣室の方へ歩いていった後、私はもう一度窓の外を見上げる。雲から差し込む日差しが濡れたアスファルトに反射している。いつもは何も思わない光景が、その日は少しだけ綺麗に見えた。
駅までの帰り道、雲が段々と少なくなって日差しが強くなっていく空が綺麗だった。私はスマホを取り出して、一枚日差しが差している道路とビルの写真を撮る。
菅谷くんに前「写真のセンスがない」と言ったけれど、やっぱり上手に撮ることは出来なくてどこかいつも通りの景色に見えてしまう。
「帰ったら久しぶりに絵でも描こうかな……」
そう一度思ってしまったら、早く家に帰りたくなってしまう。もう画材も捨てたけれど、色鉛筆くらいなら残っているだろう。
「じゃあ、今の雨が止んでるうち駅に行っておいた方がいいよ」
菅谷くんが立ち上がった。
「俺、着替えもあるから先帰ってて」
菅谷くんが更衣室の方へ歩いていった後、私はもう一度窓の外を見上げる。雲から差し込む日差しが濡れたアスファルトに反射している。いつもは何も思わない光景が、その日は少しだけ綺麗に見えた。
駅までの帰り道、雲が段々と少なくなって日差しが強くなっていく空が綺麗だった。私はスマホを取り出して、一枚日差しが差している道路とビルの写真を撮る。
菅谷くんに前「写真のセンスがない」と言ったけれど、やっぱり上手に撮ることは出来なくてどこかいつも通りの景色に見えてしまう。
「帰ったら久しぶりに絵でも描こうかな……」
そう一度思ってしまったら、早く家に帰りたくなってしまう。もう画材も捨てたけれど、色鉛筆くらいなら残っているだろう。