【長編】寂しがり屋たちは、今日も手を繋いだまま秒針を回した
残り15分で相手チームが一点決めたと思うと、そこからすぐにもう一点入れられてしまう。
ピー、と音が鳴って試合終了となった。1対2で相手チームの勝ちだった。
「あー、負けちゃったね」
美坂さんが残念そうにそう言った。
「でも、草野くんも菅谷くんも大活躍だったね」
「うん。二人とも楽しそうだったし。美坂さんはこの後どうする?」
「お姉ちゃんと買い物に行こうかなって思ってるから帰るつもり。川崎さんは?」
「私も帰ろうかな。後で草野くんと菅谷くんに『お疲れ様』ってメッセージ送ろ」
「うん!」
私と美坂さんは荷物を持って立ち上がった。観戦席を出る前に菅谷くんたちにもう一度目を向ける。菅谷くんと草野くんは二人で何かを楽しそうに話している。私はつい菅谷くんが笑っているところを見てしまう。菅谷くんは本当に楽しそうで、症状が出ている時の苦しそうな顔からは想像も出来ないほどだった。
その顔を見ているとどうしても羨ましくなってしまう。胸の奥がジーンと熱くなるような感覚。嬉しさの中に羨ましさが隠れているような感覚だった。
「川崎さん?」
「あ、ごめん!行こ」
ピー、と音が鳴って試合終了となった。1対2で相手チームの勝ちだった。
「あー、負けちゃったね」
美坂さんが残念そうにそう言った。
「でも、草野くんも菅谷くんも大活躍だったね」
「うん。二人とも楽しそうだったし。美坂さんはこの後どうする?」
「お姉ちゃんと買い物に行こうかなって思ってるから帰るつもり。川崎さんは?」
「私も帰ろうかな。後で草野くんと菅谷くんに『お疲れ様』ってメッセージ送ろ」
「うん!」
私と美坂さんは荷物を持って立ち上がった。観戦席を出る前に菅谷くんたちにもう一度目を向ける。菅谷くんと草野くんは二人で何かを楽しそうに話している。私はつい菅谷くんが笑っているところを見てしまう。菅谷くんは本当に楽しそうで、症状が出ている時の苦しそうな顔からは想像も出来ないほどだった。
その顔を見ているとどうしても羨ましくなってしまう。胸の奥がジーンと熱くなるような感覚。嬉しさの中に羨ましさが隠れているような感覚だった。
「川崎さん?」
「あ、ごめん!行こ」