【長編】寂しがり屋たちは、今日も手を繋いだまま秒針を回した
私は家に帰っても菅谷くんと草野くんの楽しそうな顔が忘れられなかった。机の引き出しを開ければ、あの日書いた色鉛筆の絵がある。飾ることも両親に見せることもできなくて、引き出しの中に閉じ込めてしまっていた。
スマホを見ると、班のグループで美坂さんが「二人ともお疲れ様!」と送っている。私も「本当にお疲れ様。見てて楽しかった」と送信する。
すぐに既読が一個ついて、草野くんからメッセージが返ってくる。
「負けたー!二人とも見に来てくれてありがと」
草野くんは男の子のキャラクターが悔しそうに頭を抱えているスタンプをメッセージの終わりに付け足した。私は知らないが多分漫画かアニメのキャラクターだろう。美坂さんも可愛い「ファイト!」と書かれたスタンプを送信している。美坂さんがスタンプを返したので、私はそのままスマホを閉じた。もう一度、先ほどの絵に目を向ける。
「久しぶりの割には上手だよね……」
誰にも見せられない絵だからこそ自分でそう言ってしまう。私はすぐに机の引き出しに絵を戻した。
その日の夜、菅谷くんから電話がかかって来た。
スマホを見ると、班のグループで美坂さんが「二人ともお疲れ様!」と送っている。私も「本当にお疲れ様。見てて楽しかった」と送信する。
すぐに既読が一個ついて、草野くんからメッセージが返ってくる。
「負けたー!二人とも見に来てくれてありがと」
草野くんは男の子のキャラクターが悔しそうに頭を抱えているスタンプをメッセージの終わりに付け足した。私は知らないが多分漫画かアニメのキャラクターだろう。美坂さんも可愛い「ファイト!」と書かれたスタンプを送信している。美坂さんがスタンプを返したので、私はそのままスマホを閉じた。もう一度、先ほどの絵に目を向ける。
「久しぶりの割には上手だよね……」
誰にも見せられない絵だからこそ自分でそう言ってしまう。私はすぐに机の引き出しに絵を戻した。
その日の夜、菅谷くんから電話がかかって来た。