【長編】寂しがり屋たちは、今日も手を繋いだまま秒針を回した
「川崎さん?今日は来てくれてありがと!症状でなかった?それが気になって……」
「本当に大丈夫。それに美坂さんも一緒だったから」
「良かった」

 菅谷くんは私の体調がどうだったか心配して電話をかけて来てくれたのだろう。いつも菅谷くんは私の体調を気遣ってくれて、それが嬉しいのに申し訳なく感じてしまう。

「……菅谷くんは最近症状どう?」
「部活入ってから忙しくて、最近はちょっと減って来たかも」
「本当……!?良かった」

 菅谷くんの言葉に私はつい嬉しくなってしまう。

「川崎さんは?」
「……うーん、変わらずかな」
「そっか」
「うん、まぁ仕方ないよ」

 私はそう言いながらも、どこか悲しくて。症状が減っていかないことにすら焦りを感じていしまう。

「……川崎さんはでも最近前より楽しそうな感じがする」
「え?」
「俺だってきっとこれから悪化する時もあると思うけど、無理し過ぎないで二人で頑張りたい。川崎さん、俺ら二人とも『絶対大丈夫』だよ」

 いつもの症状が出た時の言葉。それなのに、その「絶対大丈夫」はあまりにも私に勇気をくれた。

「じゃあ俺、そろそろ寝るね。おやすみ」
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