【長編】寂しがり屋たちは、今日も手を繋いだまま秒針を回した
「え!こんなに上手なのに……!?あ、でも確かにそう言ってたよね。絵が久しぶりだと思えないくらい上手だったから忘れてた」
美坂さんが残念そうにした後に、ハッとして「ごめん、無理強いしてるんじゃなくて……!」と言ってくれる。私は美坂さんが気にしないように「全然大丈夫!」と笑顔で返した。
木下先生が私の絵にもう一度目を向けた。
「まぁコンテストには締め切りだってあるものね。いつでも出したくなったら言って頂戴」
木下先生はそう言って優しく微笑んで、次に美坂さんの絵を見に行ってしまう。美坂さんと木下先生が話している横で、私はもう一度自分の絵に目を向けた。
まだほとんど色がついていない下絵のままのような絵。それでも、下絵にはサッカー部が運動場で試合をしている情景が描かれている。サッカーコートの半分くらいを描いていて、選手もたくさん描かれている。きっと完成した後に描かれている部員の顔を見ても、正直誰かは分からないだろう。それでも、私の中では菅谷くんも草野くんも描いている。
美坂さんが残念そうにした後に、ハッとして「ごめん、無理強いしてるんじゃなくて……!」と言ってくれる。私は美坂さんが気にしないように「全然大丈夫!」と笑顔で返した。
木下先生が私の絵にもう一度目を向けた。
「まぁコンテストには締め切りだってあるものね。いつでも出したくなったら言って頂戴」
木下先生はそう言って優しく微笑んで、次に美坂さんの絵を見に行ってしまう。美坂さんと木下先生が話している横で、私はもう一度自分の絵に目を向けた。
まだほとんど色がついていない下絵のままのような絵。それでも、下絵にはサッカー部が運動場で試合をしている情景が描かれている。サッカーコートの半分くらいを描いていて、選手もたくさん描かれている。きっと完成した後に描かれている部員の顔を見ても、正直誰かは分からないだろう。それでも、私の中では菅谷くんも草野くんも描いている。