【長編】寂しがり屋たちは、今日も手を繋いだまま秒針を回した
「そうか、大事なクラスメイトとの交流の場だからな。参加できるならそれに越したことはない。なにかあったら、すぐに言いなさい。保健の先生にも話は通しておくから」
「ありがとうございます」
ずっと人を気遣える人になりたかった。でも、結局私は「人に気遣われる」側の人間になってしまった。その現実をたまに無性に感じては泣きそうになる自分が嫌だった。
この病気になってから、どんどんと自分が弱くなっている気がしてしまう。それが嫌で、もがくように、オリエンテーションにも参加したくなってしまうのだろうか。
教室に戻ると、まだ昼休みの教室は騒がしくて。それでいて、眩しかった。
病気を発症する前は一人でお弁当を食べることは怖かったはずなのに、今は病気だとバレることの方が怖かった。それに「自分は病気だから友達がいなくても仕方ない」と心のどこかで思っているのかもしれない。
友達を作れない事実を病気という言い訳で、自分を安心させていた。そんな自分がひどく滑稽で、お弁当を食べる箸がいつもより重く感じた。
「ありがとうございます」
ずっと人を気遣える人になりたかった。でも、結局私は「人に気遣われる」側の人間になってしまった。その現実をたまに無性に感じては泣きそうになる自分が嫌だった。
この病気になってから、どんどんと自分が弱くなっている気がしてしまう。それが嫌で、もがくように、オリエンテーションにも参加したくなってしまうのだろうか。
教室に戻ると、まだ昼休みの教室は騒がしくて。それでいて、眩しかった。
病気を発症する前は一人でお弁当を食べることは怖かったはずなのに、今は病気だとバレることの方が怖かった。それに「自分は病気だから友達がいなくても仕方ない」と心のどこかで思っているのかもしれない。
友達を作れない事実を病気という言い訳で、自分を安心させていた。そんな自分がひどく滑稽で、お弁当を食べる箸がいつもより重く感じた。