【長編】寂しがり屋たちは、今日も手を繋いだまま秒針を回した
ギュゥっと強くぬいぐるみの手を握ると、ぬいぐるみの手は小さく丸まる。
「大丈夫。寂しくないよ」
何が大丈夫なのかも分からないまま、私は今日もそう小さく呟いて症状がおさまるのを静かに待った。
家に帰った後、私は夕食の準備をしているお母さんに話しかけた。
「お母さん、オリエンテーションに参加しようと思う」
私の言葉に夕飯の具材を切っていたお母さんは手を止めて顔を上げた。お母さんの顔に不安が滲んだのが分かった。お母さんはそれを誤魔化すかのようにもう一度具材を切り始めた。
「そう。大丈夫なの?」
「分からない……けど、参加してみたい。先生たちにも迷惑をかけたくないから、ちゃんと一人でどうにかする」
「そんなこと……!」
気づいたらお母さんは手を止めて、顔を上げていた。
「今まで酷い時は一人で耐えられなかったじゃない」
「うん」
お母さんはそう言ってしまった後に、少しだけ「しまった」という表情をした。
「……奈々花が頑張るって言うならお母さんも応援する。でも、もし何かあったらすぐに先生に言って。そしたらお母さんが迎えにいくから」
「うん、ありがとう」
「大丈夫。寂しくないよ」
何が大丈夫なのかも分からないまま、私は今日もそう小さく呟いて症状がおさまるのを静かに待った。
家に帰った後、私は夕食の準備をしているお母さんに話しかけた。
「お母さん、オリエンテーションに参加しようと思う」
私の言葉に夕飯の具材を切っていたお母さんは手を止めて顔を上げた。お母さんの顔に不安が滲んだのが分かった。お母さんはそれを誤魔化すかのようにもう一度具材を切り始めた。
「そう。大丈夫なの?」
「分からない……けど、参加してみたい。先生たちにも迷惑をかけたくないから、ちゃんと一人でどうにかする」
「そんなこと……!」
気づいたらお母さんは手を止めて、顔を上げていた。
「今まで酷い時は一人で耐えられなかったじゃない」
「うん」
お母さんはそう言ってしまった後に、少しだけ「しまった」という表情をした。
「……奈々花が頑張るって言うならお母さんも応援する。でも、もし何かあったらすぐに先生に言って。そしたらお母さんが迎えにいくから」
「うん、ありがとう」