【長編】寂しがり屋たちは、今日も手を繋いだまま秒針を回した
先生が人数確認を終えて、端の列から順番にバスに乗せていく。私がバスに乗ると、美坂さんが私に声をかけた。
「隣、座ってもいい?」
私が頷くと、美坂さんが私の隣の席に座る。動き始めたバスに揺られながら、美坂さんは鞄から可愛いパッケージのお菓子を取り出した。
「じゃーん、これ前に話してたクッキー。でも今食べたらカレー食べれなくなっちゃうかもだし、これは食後のお菓子にしよ!」
美坂さんはお気に入りのクッキーを二袋持って来たようで、他のお菓子と合わせて個数を数えている。
「123……詩乃と部屋で食べる分も残しておこうかな……」
美坂さんは友達が沢山いて、私はそれに安心してしまう。
私がいなくても美坂さんは友達に困らないことに安心するのだ。オリエンテーションの後に私が美坂さんと話さなくても、美坂さんには友達が沢山いる。
最低な考えだと分かっているのに、病気の私が人と距離を置きたいから相手に私が必要のない人であって欲しいと願ってしまう。
そんな最低なことを私が考えていると、美坂さんの呟きが耳に入ってくる。
「このクッキーは後で川崎さんと食べるから……」
「隣、座ってもいい?」
私が頷くと、美坂さんが私の隣の席に座る。動き始めたバスに揺られながら、美坂さんは鞄から可愛いパッケージのお菓子を取り出した。
「じゃーん、これ前に話してたクッキー。でも今食べたらカレー食べれなくなっちゃうかもだし、これは食後のお菓子にしよ!」
美坂さんはお気に入りのクッキーを二袋持って来たようで、他のお菓子と合わせて個数を数えている。
「123……詩乃と部屋で食べる分も残しておこうかな……」
美坂さんは友達が沢山いて、私はそれに安心してしまう。
私がいなくても美坂さんは友達に困らないことに安心するのだ。オリエンテーションの後に私が美坂さんと話さなくても、美坂さんには友達が沢山いる。
最低な考えだと分かっているのに、病気の私が人と距離を置きたいから相手に私が必要のない人であって欲しいと願ってしまう。
そんな最低なことを私が考えていると、美坂さんの呟きが耳に入ってくる。
「このクッキーは後で川崎さんと食べるから……」