【長編】寂しがり屋たちは、今日も手を繋いだまま秒針を回した
 午後から海に戻ると、生徒たちが急いで残りの作業を終わらせようとしている。その姿に先生が呆れながら他の女子生徒に話しかけた。

「お前ら、そんなに早く行動出来るなら始めからしてくれよ」
「自由時間があるから頑張れるんですー」
「そうそう!」

 30分の作業はすぐに終わり、気づけば自由時間が始まろうとしていた。

「菅谷、海入らねーの!?」
「予備の着替え持ってきてないし」
「お前、それでも男か!?」
「はいはい。草野、お前はもう一人で海に入ってこいよ」
「言われなくても入るわ!」
「お前、本当すげーよ」
「褒めてないだろ!」
「よく分かったな」

 海に入らないと言いながら、菅谷くんは海に足をつけている草野くんに水をかけられている。

「おい!水かけるな!俺、着替えないんだぞ!」
「大丈夫、すぐ乾くって!」
「草野お前……他人事だからって……!」

 結局楽しそうに水を掛け合っている二人を見ながら、美坂さんは裸足になって海に足をつけている。

「川崎さんは海入らないの?足をつけるだけだったら、服も濡れないよ?」
「私は……」

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