【長編】寂しがり屋たちは、今日も手を繋いだまま秒針を回した
八章
翌日、オリエンテーション二日目。最終日。
二日目は宿舎の近くの公園でスポーツ活動という名のほぼ自由行動だった。自由時間は二時間ほどで、あとは帰りのバスで帰るだけの日程。
「菅谷、何する?先生がサッカーボールとかバドミントンの道具を持ってきてくれてるらしいぞ!」
「草野は何してーの?」
「うーん、サッカーは部活でしてるからバドミントンかな。あ、でも菅谷はサッカーしたい?」
その時、菅谷くんがほんの少しだけ苦しそうな顔をした気がした。
「俺、中学の部活引退してから全くボールに触れてないから、めっちゃブランクあるかも」
「あはは、菅谷がめっちゃ下手になってたら笑ってやるわ!」
「うるせー!お前は大人しくバドミントンしてろ!」
「いや、菅谷の下手なサッカー見たいからサッカーにするわ!」
「うわ、うぜ」
草野くんがサッカーボールを先生のところに取りに行こうとして、私と美坂さんの方を振り返る。
「っていうか、美坂さんと川崎さんもサッカーしない?」
草野くんの問いに美坂さんが慌てている。
「私、運動全然出来ないよ……!」
「大丈夫!別にこれ試合じゃないし!折角だし班の皆んなでやろーぜ。川崎さんもそれで大丈夫?」
「大丈夫だけど……私も運動得意じゃないし足引っ張るかも……」
「あれ?川崎さんも文化部だっけ?」
二日目は宿舎の近くの公園でスポーツ活動という名のほぼ自由行動だった。自由時間は二時間ほどで、あとは帰りのバスで帰るだけの日程。
「菅谷、何する?先生がサッカーボールとかバドミントンの道具を持ってきてくれてるらしいぞ!」
「草野は何してーの?」
「うーん、サッカーは部活でしてるからバドミントンかな。あ、でも菅谷はサッカーしたい?」
その時、菅谷くんがほんの少しだけ苦しそうな顔をした気がした。
「俺、中学の部活引退してから全くボールに触れてないから、めっちゃブランクあるかも」
「あはは、菅谷がめっちゃ下手になってたら笑ってやるわ!」
「うるせー!お前は大人しくバドミントンしてろ!」
「いや、菅谷の下手なサッカー見たいからサッカーにするわ!」
「うわ、うぜ」
草野くんがサッカーボールを先生のところに取りに行こうとして、私と美坂さんの方を振り返る。
「っていうか、美坂さんと川崎さんもサッカーしない?」
草野くんの問いに美坂さんが慌てている。
「私、運動全然出来ないよ……!」
「大丈夫!別にこれ試合じゃないし!折角だし班の皆んなでやろーぜ。川崎さんもそれで大丈夫?」
「大丈夫だけど……私も運動得意じゃないし足引っ張るかも……」
「あれ?川崎さんも文化部だっけ?」