【長編】寂しがり屋たちは、今日も手を繋いだまま秒針を回した
菅谷くんがいつから「寂しい」という症状に悩まされているのかは分からなかったが、きっと高校で部活を諦めたのは症状が主な理由だろう。
私も頻発性哀愁症候群になってから、我慢することや諦めることが増えた。実際にこのオリエンテーションだって参加を諦めていた可能性も高かった。そんな生活を送るからこそ、同じ症状に悩む菅谷くんが嬉しそうに笑ってくれていることが嬉しかった。
試合は盛り上がって、すぐに二時間は過ぎて行く。
「全員集合ー!そろそろ帰るぞー!」
先生の言葉に生徒たちが帰る準備を始める。一日目より二日目の方が時間は何故か早く感じるもので、帰り支度が終わると私たちは帰りのバスに乗って帰路につく。
バスに乗ってすぐに眠っている生徒がポツポツといた。その時、美坂さんが小声で私に話しかけた。
「川崎さん、これ前に言ってたクッキー。昨日は時間はなくて食べられなかったから」
美坂さんがクッキーの袋を開けてこちらに向けてくれる。私袋からは一枚クッキーを取った。
「美味しい」
「でしょ!これお気に入りなの。スーパーとかにも売ってるからオススメ!」
私も頻発性哀愁症候群になってから、我慢することや諦めることが増えた。実際にこのオリエンテーションだって参加を諦めていた可能性も高かった。そんな生活を送るからこそ、同じ症状に悩む菅谷くんが嬉しそうに笑ってくれていることが嬉しかった。
試合は盛り上がって、すぐに二時間は過ぎて行く。
「全員集合ー!そろそろ帰るぞー!」
先生の言葉に生徒たちが帰る準備を始める。一日目より二日目の方が時間は何故か早く感じるもので、帰り支度が終わると私たちは帰りのバスに乗って帰路につく。
バスに乗ってすぐに眠っている生徒がポツポツといた。その時、美坂さんが小声で私に話しかけた。
「川崎さん、これ前に言ってたクッキー。昨日は時間はなくて食べられなかったから」
美坂さんがクッキーの袋を開けてこちらに向けてくれる。私袋からは一枚クッキーを取った。
「美味しい」
「でしょ!これお気に入りなの。スーパーとかにも売ってるからオススメ!」