【長編】寂しがり屋たちは、今日も手を繋いだまま秒針を回した
昨日の夜の菅谷くんのその言葉に私は返事が出来なかった。その気持ちが分かりすぎるからこそなんて言えばいいのか分からなかった……ううん、違う。本当は私なんて寂しくて壊れてしまえばいいと思っている。死んでしまえばいいと思っている。
「でも、周りの人を私のせいで壊したくはないの……」
そう小さく呟いた自分の声が耳に響いた気がした。
オリエンテーションから帰って、家の扉をかけるとすぐにお母さんがリビングから飛び出してくる。
「おかえり。大丈夫だった!?」
オリエンテーションの一日目の夜、菅谷くんと話していて結局お母さんに電話は出来なかった。寝る前にメッセージは送ったが心配してくれていたのだろう。
心配そうなお母さんに私はニコッと笑顔を作った。
「ただいま!『楽しかったよ』!」
その時のお母さんの泣きそうなほど嬉しそう顔を私は一生忘れない気がした。
「でも、周りの人を私のせいで壊したくはないの……」
そう小さく呟いた自分の声が耳に響いた気がした。
オリエンテーションから帰って、家の扉をかけるとすぐにお母さんがリビングから飛び出してくる。
「おかえり。大丈夫だった!?」
オリエンテーションの一日目の夜、菅谷くんと話していて結局お母さんに電話は出来なかった。寝る前にメッセージは送ったが心配してくれていたのだろう。
心配そうなお母さんに私はニコッと笑顔を作った。
「ただいま!『楽しかったよ』!」
その時のお母さんの泣きそうなほど嬉しそう顔を私は一生忘れない気がした。