【長編】寂しがり屋たちは、今日も手を繋いだまま秒針を回した
 菅谷くんに元気をあげたいのに、いつも私ばかり元気を貰ってしまう。今だって、結局私が嬉しいと思う言葉を菅谷くんはくれるのだ。

「こちらこそありがとう、菅谷くん」

 言えることはお礼だけで、それが無性に悲しく感じた。
 公園を出て菅谷くんと解散した後も、その日は菅谷くんのことが頭から離れなかった。
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