【長編】寂しがり屋たちは、今日も手を繋いだまま秒針を回した
十四章
菅谷くんの家の最寄り駅に着くと、自分の最寄り駅とは少し違う雰囲気がする。私はスマホにもう一度菅谷くんの住所を入れて、場所を調べた。
歩いたことのない道が続いていた。たった一駅先でもこんなに知らないものなんだなと不思議な感覚がする。
菅谷くんの家の近くまで来たら、表札を確認しながら歩いていく。
「菅谷」と書かれた綺麗な白い外壁の家が立っている。
スマホで時間を確認すると「9:56」となっている。10時に約束なので、ちょうど良い時間だろう。
すぐにチャイムを鳴らそうと思ったが、一瞬だけ押すことに緊張して躊躇ってしまう。しかし、緊張より菅谷くんの体調が気になった私は勇気を出してチャイムを押した。
「はーい」
女性の声が聞こえて、菅谷くんのお母さんらしき人が扉を開けてくれる。
「あ……こんにちは。私、菅谷くんと同じクラスの……」
私の自己紹介が終わる前に、菅谷くんのお母さんが「川崎さんでしょう?柊真から聞いているわ」と笑顔で教えてくれる。
歩いたことのない道が続いていた。たった一駅先でもこんなに知らないものなんだなと不思議な感覚がする。
菅谷くんの家の近くまで来たら、表札を確認しながら歩いていく。
「菅谷」と書かれた綺麗な白い外壁の家が立っている。
スマホで時間を確認すると「9:56」となっている。10時に約束なので、ちょうど良い時間だろう。
すぐにチャイムを鳴らそうと思ったが、一瞬だけ押すことに緊張して躊躇ってしまう。しかし、緊張より菅谷くんの体調が気になった私は勇気を出してチャイムを押した。
「はーい」
女性の声が聞こえて、菅谷くんのお母さんらしき人が扉を開けてくれる。
「あ……こんにちは。私、菅谷くんと同じクラスの……」
私の自己紹介が終わる前に、菅谷くんのお母さんが「川崎さんでしょう?柊真から聞いているわ」と笑顔で教えてくれる。