【長編】寂しがり屋たちは、今日も手を繋いだまま秒針を回した
「私もその時、『大丈夫。寂しくない』って心の中で唱えてたの。だから一緒だよ。ねぇ、菅谷くん。あの時、菅谷くんも一緒に『寂しくない』って自分に言ってたんだね」
自分が何を言っているのか分からないのに、私は目からポロポロと涙が溢れていく。
「私たちはこんな病気だけど、二人とも寂しがり屋で、寂しさに悩まされてる。一緒にこの病気と闘ってる。本当は菅谷くんが前に進んでいるように感じて、焦る時もあるの。でもそれ以上に菅谷くんがいて助けられてる」
涙が止まらなくて、段々言葉に嗚咽が混じって言葉が詰まってしまう。
「私が体調が悪い時は真っ先に気づいてくれて、周りのクラスメイトを笑顔にして、頑張って高校を楽しもうとしてる菅谷くんに助けられてる……憧れてる、の……無理に笑わくていいから……弱音を吐いてっていい、から……死なないで……欲しいだけなの」
言葉に詰まりながらでも、この気持ちが伝わっただろうか。涙でぐちゃぐちゃの顔をなんとか拭っても、全然涙は止まらない。