日々、アオハル
どんなに強く願ったとしても、叶わないことはこの世にはたくさんある。いくら神様だって、時を止めたり巻き戻すことはできない。
だってここは、ファンタジーの世界ではないから。
このまま私と柊くん以外の時間が止まるわけはないし、昨日の夜に戻ってもう一度今日を繰り返すことはできない。
当たり前に時間は進んでいく。
光のロードの端から端までを往復した後、パークタウン内にある中庭まで歩いてきた。2人掛けのベンチに横並びになって座る。
私たちは高校生だから、遅くまで一緒にいることはできない。電車の時間だってある。タイムリミットが迫っているのを、お互い感じていた。
「柊くん、今日はありがとう」
「こちらこそありがとう」
「すっごく楽しかった。イルミネーションも、柊くんと一緒に見れて、嬉しかった」
「うん。俺も」
「本当に、楽しかった……」
柊くんへ向けていた顔を正面へと向け直した。視線を俯かせて、両手でぎゅっと、スカートの裾を握る。