日々、アオハル
最後の地区大会。12校が一斉に集まる開会式のこの景色も今日で見納め。約三年間、大会の度にお世話になってきたこの体育館で試合をするのも最後になる。
チームの皆なら県大会行きを決めてくれるはず、と信じているものの、ここで終わってしまうかもという不安も僅かに過ぎってしまう。
私も亜美ちゃんと同じく、昨夜はなかなか寝付くことができなかった。後輩たちの前では先輩らしくしっかりしていないと、と自分を鼓舞しているけれど、少しでも気を緩めれば今すぐにでも泣いてしまいそう。
緊張と寂しさとちょっぴり切なさが入り混じっていて、ずっと心臓はドキドキしている。
二階席からメインアリーナにいる皆の姿を見守る。
三田第一の隣に並ぶのは白石東。2列目に立つ柊くんは、後ろ手を組んで少し顔を俯かせていた。いつも通りの柊くんだ。
柊くんの姿を見るのは、去年のクリスマス以来だった。車両を変えたのか、それとも時間を変えたのか、朝の電車で一緒になることはなくなった。
逆にそれが、私にとって都合が良かったんだと思う。
今日までの5ヶ月間、しっかりマネージャー業に集中することができたから。
ふう、と一息ついて、肩先まで切った髪の毛を耳にかける。
開会式が終わったようで、下のメインアリーナがざわつき始めていた。
それぞれがいろんな思いを抱えて挑む最後の地区大会の幕開けに、小刻みに震える指先を力強く握りしめた。