日々、アオハル

「わ!世那くんすごい!」


有言実行。言葉通りたったの3回で世那くんはマスコットを取ってくれた。しかも、驚くことに2つも。


「UFOキャッチャー、得意だったんだね!」

「バスケ部のやつらとお菓子系のUFOキャッチャーはよくやるから、鍛えられたのかも」

 
世那くんは手先がとても器用な人だと思う。少し骨ばった白くて綺麗な指が目に入って、またもやドキッとしてしまう。

 
景品口からまん丸のビションを取り出した世那くんは「はい、どーぞ」と2匹とも私の手に乗せてくれた。


ビションのマスコットたちは手のひらサイズの大きさで、チェーンの付いたキーホルダータイプ。


「世那くん、これ、お揃いにしない?」


2匹のうちの1匹を世那くんへと差し出す。受け取ったビションをじっと見つめた世那くんは「お揃い…」とポツリ、言葉を落とした。


「あ、お揃いとか嫌だった…?」

「ううん。全然」

「ほんと?じゃあその子は世那くんに持っててほしいな」


世那くんと初めてのお揃いに心が弾んでしまう。嬉しくて嬉しくて、頬がへらっと緩んでしまう。


「私は早速バッグに付けようかな」


スクールバッグの持ち手部分にボールチェーンを通して、まん丸ビションを取り付けた。


「じゃあ、俺も」
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