日々、アオハル

▶︎side 波琉

「え、ええ……ちょ、まてまてまて。あれは誰?本当に世那?」

「世那ってあんな風に笑うんだなー……」

「やべーよ。眩しすぎて前が見えなくなってきた」


数メートル先で幸せそうに笑い合っている世那とひなちゃんの姿に崩れ落ちる男たち。


声を潜めながら苦しんでいる佐野、三宅、安達の三人を横目にもう一度二人の姿を見る。


「アオハルだねえ」


遠くから見ていても伝わってくる。キラキラと眩くて尊い、世那とひなちゃんの雰囲気。青春の象徴のような制服姿の二人に自然と笑みが溢れた。


世那とひなちゃんが今日、放課後デートをするという話は前もって聞いていた。このショッピングモールへ来るということも。


二人の邪魔をするつもりはないけど、この話を聞いて俺らが動かないはずはない。偶然を装って、俺らもショッピングモールへとやってきた。


なかなか二人を見つけられずにいたけど、フードコートでようやく遭遇することができた。少し離れたボックス席にニ対ニで座りながら、バレないように二人を見守る。
< 174 / 186 >

この作品をシェア

pagetop