日々、アオハル
エナメルバッグを地面に置き、スマホ片手に腕組みしながら窓を眺める横顔は少し眠たげで、アンニュイな雰囲気が溢れ出ている。
どことなく色っぽさを感じるその姿に、きゅうっと心臓は鷲掴みされたように苦しくなる。
ドキドキしたり、苦しくなったり、私の心臓は毎日朝から忙しない。
イヤホンではなくヘッドホンを使っている彼は、音楽が好きな人なのかもしれない。
何を聴いているんだろう。
どんなジャンルが好きなんだろう。
彼の好きな音楽を知りたい。
彼と同じ音楽を聴いてみたい。
そんなの無理だと分かっていても、図々しく願ってしまう。
ただ毎朝同じ電車に乗り合わせているだけの見ず知らずの人間にこんなことを思われているなんて、彼が知ったら間違いなくドン引きだ。
気持ち悪くてごめんなさい…。
心の中で小さく謝罪をして、緑が広がる外の景色へと再び目を向けた。
「次は――、次は――」
彼が乗ってきた駅から2駅先。私が下りる駅が近づいてくる。
ふわふわと膨れ上がっていた気持ちは徐々に萎んでいく。
何もなければ長く感じる通学時間だけど、この上なく幸せなひと時はあっという間に過ぎてしまう。
『また明日も会えますように』
顔をやや俯かせながら目を瞑っている彼へと、そう心の中で呟いて、名残惜しく車内を後にした。
どことなく色っぽさを感じるその姿に、きゅうっと心臓は鷲掴みされたように苦しくなる。
ドキドキしたり、苦しくなったり、私の心臓は毎日朝から忙しない。
イヤホンではなくヘッドホンを使っている彼は、音楽が好きな人なのかもしれない。
何を聴いているんだろう。
どんなジャンルが好きなんだろう。
彼の好きな音楽を知りたい。
彼と同じ音楽を聴いてみたい。
そんなの無理だと分かっていても、図々しく願ってしまう。
ただ毎朝同じ電車に乗り合わせているだけの見ず知らずの人間にこんなことを思われているなんて、彼が知ったら間違いなくドン引きだ。
気持ち悪くてごめんなさい…。
心の中で小さく謝罪をして、緑が広がる外の景色へと再び目を向けた。
「次は――、次は――」
彼が乗ってきた駅から2駅先。私が下りる駅が近づいてくる。
ふわふわと膨れ上がっていた気持ちは徐々に萎んでいく。
何もなければ長く感じる通学時間だけど、この上なく幸せなひと時はあっという間に過ぎてしまう。
『また明日も会えますように』
顔をやや俯かせながら目を瞑っている彼へと、そう心の中で呟いて、名残惜しく車内を後にした。