日々、アオハル
ということは、このままうちが勝つことができれば、決勝戦の相手は白石東ということになる。
「あと5分!頑張って!」
疲れがピークに達し、皆の足が重くなってくる時間帯。試合中に私にできることは声を出して応援することだけ。
「(がんばれ、がんばれ)」
心の中でも祈り続ける。
隣のコートで応援していた人たちがぞろぞろと大移動をしていて、2階の観覧席には人が増えていた。ゴールが決まる度に聞こえていた拍手もより大きくなる。
コートとスコアシートに目線を行き来させていると、黒のユニフォームが視界に映り込んだ。
コートの端には試合を終えたばかりの白石東のメンバーたちが集まってきていた。残り3分となったこの試合の行方を全員が真剣な面持ちで見ている。
横一列になっている黒の集団のその中に、柊くんの姿はなかった。
準決勝を勝利することができた三田第一は当初の目標通り、白石東との決勝戦へと駒を進めた。