日々、アオハル

第2クォーターが終わり、10分間のハーフタイムに入った。


選手たちは休憩をしつつ、私が記入するスコアシートを基に山口先生を交えて後半戦の作戦を練っていく。


現時点での点数は38-32。三田第一が僅かにリードしている。一進一退の攻防が続くほぼほぼ互角の試合展開だ。


「安藤。後半からは柊じゃなくて大河原に付いてくれ。柊は黒津、お前1人に任せる」


第1クォーター、第2クォーター共に柊くんには2人のマークを付けていた。山口先生の指示に安藤くんと光希は「はい」と返事をする。


「柊、どうしたんだろ。本調子じゃないっぽいな」

「なかなか決まってないよな。スリーもまだ1回も打ってないし」

「けどあいつら準決で90点超えてたぞ。後半からペース上げてくるんじゃね?」

「油断大敵、だな」


皆の話の通りだった。ポイントゲッターの柊くんはこの試合、ゴールから嫌われている。その代わりに大河原くんへボールが回ることが多く、白石東で1番得点を上げているのが現時点では彼だ。


今日は白石東と同時間に全ての試合が被っていて、彼らの試合を見ることができていなかった。だけど準決勝を高得点で勝利したということは、柊くんの調子も良かったということだろう。


光希の言う通り、油断大敵だ。


「柊がシュートを打った後のリバウンド、しっかり取れるように注意しておこう。できるだけマイボール増やしてゴール下に繋ぐぞ。そんで絶対勝つ」


光希の言葉に全員が大きく声を上げた。
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