日々、アオハル

𓂃◌𓈒𓐍


三田第一の優勝で終わった夏の新人戦。閉会式も終わり、優勝トロフィーが数年ぶりに我が校へと返ってきた。


「皆今日は本当におめでとう!残りの3日間はよく休んで、よく食べて、よく遊べ。また始業式に元気で会おう。解散!」

「「「「おつかれしたー!」」」」

「1年は荷物を車に積むの手伝ってくれー。疲れてるところ悪いが羽森と生田はもう一仕事頼むな」

「「はい!」」


私たちマネージャーには、使用した備品を学校に戻って片付けるという大仕事が待っている。今日はトロフィーも一緒の帰還だ。


救急バックを肩に掛け、亜美ちゃんと一緒に山口先生の車へと向かう。


「2人共悪い。実行委員の方に顔を出さなきゃいけないんだ。エアコンを付けておくから少し車の中で待っててもらってもいいか?」


運転席の扉を開け、エンジンを起動させた山口先生は申し訳なさそうに体育館へと戻っていく。


車に乗り込もうとした時だった。


「……亜美ちゃん、ごめん。私もちょっとだけ行ってくる」

「え?どこにですか?」

「ごめんね。すぐに戻るから」

「あ、ひな先輩!」


体育館の入り口付近を1人で歩く柊くんの姿があった。その背中は角を曲がると、すぐに見えなくなってしまった。


背中に背負ったリュックも肩に掛けた救急バックもそのままに、私は来た道を走っていた。体育館脇の角を同じように曲がると、水の流れる音が聞こえてきた。
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