日々、アオハル

「光希とは本当になにもないの。昔からの幼馴染だから確かに仲はいいんだけど、付き合ってるとかそういうのではないんだよね」


私と光希は周りから見ると距離が近いらしく、付き合ってるんじゃないかと間違われることが多々ある。


「え~、でもさでもさ!幼馴染の恋愛って王道じゃない?実は両思いだったとかさあ」

「私と光希にそういうのはないかな」

「実はひなちゃんは黒津くんが好きで、だけど友達だから伝えられない……!みたいな切な〜い展開は?」

「それも、ないなあ」


私にとって光希は1番古くからの友達であり、1番仲の良い異性の友達。家族のような存在ゆえ、光希のことは好きだけど、そこに恋愛感情が生まれたことは1度もない。それはきっと、光希も同じ。


昔、言葉の意味をきちんと理解しないまま、「光希とは友達以上、恋人未満なんだ」と周りに話していたことがある。


それをどこからか聞いた光希は「もうその言葉は使うな」と顔を真っ青にしながら私に言った。


友達以上に仲が良いと思っていたのは私だけ?と少し落ち込んでいたけれど、"友達以上恋人未満"には "付き合ってはいないけど体の関係がある" という意味もあると教えてもらい、私の顔も真っ青になった。


それ以来その言葉は二度と使わないよう封印させた。
< 69 / 95 >

この作品をシェア

pagetop