日々、アオハル

運動が苦手な私の出場種目はバレーボール。


迷惑をかけるのは分かり切っているから、せめてサーブだけでも……!と思い、部活終わりにバスケ部の皆に練習に付き合ってもらった。その成果は発揮することができたと思う。


バレーは予選で敗退。クラス順位は学年6クラス中4位とまあまあな結果ではあったけど、クラス一丸となっての応援はとても楽しかった。


体育祭の今日は全ての部活がお休み。放課後はクラスTシャツと髪型はそのまま、ふーこやあっちゃん含めクラスの女子たちと遊びに行った。


普段は部活漬けの毎日だから、プリクラを撮ったり、ゲームをしたり、クレープを食べながらお喋りをしたり、友達と遊ぶ放課後は新鮮で楽しかった。


夕方になり、皆とは駅前でお別れ。電車通学は私だけなので、1人で改札をくぐり、時間までホームに座って電車を待つ。


「(楽しかったなあ……)」


クラスのグループチャットで共有された写真をスライドさせながら、今日の思い出に浸る。今日は朝からずっと楽しくて、とてもいい1日だった。


写真に夢中になっているうちに電車は到着していて、慌てて車内に乗り込んだ。





「羽森さん?」


後ろから伺うように名前を呼ばれた。聞き覚えのある声に、勢いよく振り返る。


ドア付近の二人掛けの席には、柊くんが座っていた。


そう、目の前の彼は柊くん。間違いなく柊くんなんだけど、いつもと雰囲気が違う。
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