日々、アオハル


ワイシャツでもジャージでもなく、水色と白のストライプのTシャツに下は制服のズボンという恰好。


そして何よりも、普段はサラサラとしたマッシュヘアは、毛先が緩くウェーブしている。


「(かっこよすぎる……)」


パチ、パチ、パチ、と3回瞬きを繰り返す。あまりのかっこよさに、返事も忘れて見惚れてしまった。


どうしてか、柊くんも瞬きを繰り返しながら私を見ている。


お互い動きを止めたまま見つめ合ったような状態でいると、電車が進行方向に動き始めた。身体が前方に少しよろめく。


「ここ、座る?」


柊くんは自身の横の席に手を置いて私を促した。


「あ、お、お邪魔します」と動揺を隠しきれないまま、柊くんの隣へおずおずと腰を下ろす。


柊くんと顔を合わせるのは、昨日の朝ぶりのこと。


あの大会の日以来、朝練で同じ電車に乗り合わせた時は、挨拶を交わすようになった。私が座っている場所と柊くんが立っている場所はそれなりの距離があるから、挨拶といってもお互い軽く会釈をする程度ではあるけれど、かなり大きな進歩である。
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