日々、アオハル
部員の皆が言うように、光希は私に過保護だ。
私たちは昔からの幼馴染で、家族ぐるみで仲が良い。一人っ子の光希は私のお兄ちゃん2人とも仲良しで、小さい頃からまるで兄妹のように育ってきた。
今では慣れっこになった光希のこの過保護は、間違いなくお兄ちゃん2人の影響だ。
私のほうが半年誕生日は早いけれど、まるで3人目のお兄ちゃんのような光希は、私にとって家族同然の存在。
「おはよーう!」
ゲームを始めようとしていたところ、体育館の外扉が開かれ、じっとりとした空気と共に大柄の男性が入ってきた。
全員が全員手を止め、挨拶をしながら外扉の方へと走り出す。
「山口せんせー!おっはようございまっす」
「高月お前は朝から元気でよろしい」
ムードメーカーの高月くんにそう声をかけたのは、顧問の山口先生。タンクトップを着ている山口先生の両腕は、7月もまだ始まったばかりだというのに真っ赤に日焼けしている。
「朝練に顔出すなんてどうしたんすか?」
先生が朝練に参加するのは基本的に大会前だけ。ここにいる全員が思っていた疑問を光希が口にすると、山口先生は右手に持っていた1枚のクリアファイルを高らかに掲げた。
「新人戦の組み合わせが決まったんだよ」