日々、アオハル
真剣な眼差しを送られた。ただでさえ今日の柊くんはかっこいいのに、そんな風に見られたら、頭がぽおっとしてきてしまう。
視線を落として、水色のハチマキとピンクのハチマキを交互に見る。
答えは当たり前に一択。"欲しい" の一択だ。
それなのにたった3文字の言葉が、上手く口から出てきてくれない。
もう一度、柊くんへと顔を向けると、言葉は無しに首だけを傾げられた。胸が詰まった。
「私も、」
「……」
「欲しい」
「……」
「柊くんのハチマキ姿も見たかったし、サッカーをしてるところも見たかった。……ハチマキの交換も、してみたかった」
「……」
「……」
「……」
「(…………あれ…………?)」
まただ。また、私、余計なことまで話してる。
欲しい、だけで止めておけばよかったのに……。どうして私の口はこうも単発的にベラベラと動いてしまうんだろう。
いや、違う。口が勝手に動いたのは、柊くんのあの瞳のせいだ。真剣な眼差しを向けられて、心の内がするすると暴かれてしまった。あんなの不可抗力だ。うん、しょうがない。