日々、アオハル
全ては柊くんのせい、と自分に言い聞かせて逃げようとするけれど、発した言葉は消せない。
「(うぅ……恥ずかしい)」
今すぐにでも項垂れて顔を隠したいところ。だけど私よりも先に首をがくっと落としたのは、柊くんの方だった。
視界の端にその姿が映って、「えっ?」と心で声を上げて横を向いた。髪の隙間から見えた柊くんの耳がこれでもかと赤くなっていて、さらに「えっ?」と目を丸める。
それにつられて私の顔も熱くなっていたところ、柊くんはゆったりと顔を持ち上げた。
「俺も、羽森さんのハチマキが欲しい」
色気のある熱っぽい瞳が、更に私の胸を締め付けた。
「羽森さんがバレーやってるところも見たかったし、羽森さんに応援されたかった。羽森さんに応援してもらえたら、頑張ろうって思えたと思う」
「……」
ぽっ、ではなく、ぼわっと顔全体が熱くなる。
「これ、俺のと交換しない?」
私の元に水色のハチマキが差し出された。悩む間もなく「うん」と頷いて、私もピンクのハチマキを差し出す。
手のひらに柊くんのハチマキが乗る。そのハチマキをじっと見つめていると、次第にその輪郭がぼやけ始めた。