触れないで近付かないでキミと恋をする(マンガシナリオ)
第2話
○学校・トイレの前の廊下
トイレから出て来たゆまにテンション高く千鶴が駆けて来る。
千鶴「ゆま~!!!」
千鶴「聞いて!体育祭のペアダンス、由比くんとペアになれたの~!」
ゆま「え、ほんとに!?すごいじゃん!!」
ゆま「由比くん誘ってくれたんだ?」
千鶴「うん!零哉にちょーっと手伝ってもらってちゃったけど」
零哉の名前を聞いて、昨日のことを思い出す。
零哉“俺とペアにならない?”そのせいでドキッと変に反応してしまうゆま。
ゆま「そ、そうなんだ!よかったね!千鶴、由比くんと一緒がいいってずっと言ってたもんね!」
千鶴「うん、あとはこれからかなぁ♡」
ゆま「え?」
千鶴「だってこれでカップルになれるかもしれないから!」
嬉しそうな表情で意気込む千鶴を羨む視線を送るゆま。
千鶴「今はペアになれただけでいいよ!うれしいから!」
千鶴「あ、私もトイレ行って来る!」
トイレに入っていく千鶴を見送って、教室へ戻ろうと廊下を歩き出そうとした時由比が現れた。何も言わずじーっとゆまを見つめ、圧倒されるゆまは何も言えずに見つめ返す。
由比「……。」
ゆま(え、何…なんだろ、ずっと見られてるよね?)
由比「…。」
ゆま「……。」
ゆま(本当に何!?)
ゆま「えっと…由比くん、何か私に用かなぁ?あ、千鶴!?千鶴なら今お手洗いに…」
由比「……。」
ゆま(違うの!?何なの!?せめて何か言ってくれない!?)
由比「…芹澤、零哉とペアになったんだ」
ゆま「あ…うん、そう…」
由比「ふーん」
鋭い目つきでゆまを見る由比、それに怯えるゆま。
ゆま(本当何なの!?怖い!!!)
○教室
由比のところから走って逃げて戻って来る。
ゆま(さっきの何だったの?すごい怖かったんだけど、本当何考えてるのかわからない…千鶴、由比くんのどこがいいんだろう?やっぱ顔かなぁ…)
教室に戻って来て席につこうとするゆまを手を振って呼びかける零哉。
零哉「芹澤さぁーん!」
ゆま、零哉のもとへ。
教室の後ろに貼り出された紙を指差す零哉。
零哉「俺ら名前書いといていい?」
指差した紙:体育祭のペアダンス 決まった人は名前を書いてください!体育祭実行委員
ゆま「うん、書いてくれて大丈夫!」
零哉「おけ~!じゃあ今書いちゃうわ」
ゆま(もう千鶴たち名前書いてる)
ゆま「……。」
ゆま(さっきの由比くん本当何だったんだろう…)
零哉が持っていたシャーペンで名前を書く。荘田零哉、と書いた隣に芹澤ゆまの名前を書く。
零哉が名前を書く姿を見てなぜかドキドキするゆま。
ゆま(引き受けちゃった…荘田くんの相手、絶対にペアダンスはやらないって思ってのに)
ゆま(なんでやる気になっちゃったんだろう、自分…)
突然ざわつく教室。
クラスメイト男子①「はぁーーーーっ!零哉、芹澤さんとやんの!?」
クラスメイト男子②「俺、狙ってたんだけど!」
クラスメイト男子③「俺なんか断られたわ!」
ゆま(なになになになに!?そんなにっ、そんなに言われることなの!?)
ゆま(私なんて全然大したことないよ…!)
クラスメイト女子①「私だって零哉に誘われるの待ってたし!」
クラスメイト女子②「わかる、ひそかにね」
クラスメイト女子③「芹澤さんとなんだ~!?それなら仕方ない気も…する!」
クラスメイト男子④「仕方ないどころか当たり前だろ!」
ゆま(なんか…荘田くんって、そうなの?)
チラッと隣で名前を書き終わった零哉のことを見る。微笑み返される。
ゆま(荘田くんって人気なんだーーー!?)
○教室(昼休み)
ゆまの机で千鶴とお弁当を食べる。前の席の千鶴は後ろを向いて、お弁当を広げている。
千鶴「ゆま知らなかったの?同じクラスなのに」
ゆま「そーゆうのは全然…」
千鶴「零哉、人気だよ」
ゆま「そうだったの…?」
千鶴「あんな感じであっけらかんとしてるけど、明るくてそれなりに優しいから人気だよ」
千鶴「思ったことは言っても人の嫌がることは言わないしね」
ゆま「……。」
千鶴「私は絶対由比くんだけど♡」
ゆま(そうなんだ、そんな人だったんだ…でも…)
ゆま(その理由はわかる気がする、私も)
○学校・グラウンド(体育の時間)
ペアが決まって初めての練習。男女合同の体育。
体育祭実行委員が前に出て本番でやるダンスを踊っている。ペアごとに並んでゆまと零哉は後ろの方に並んでいる。
ゆま(思ってたよりくっつくシーン多い…手繋いだりハイタッチしたり…)
あわあわ緊張し出すゆまに気付いた零哉。
零哉「芹澤さん緊張してる?」
ゆま「えっ、いや…ちょっとだけね」
俯くゆま。
ゆま(やっぱりやめといた方がよかったかもしれない、荘田くんにも迷惑かけちゃうし。まだ間に合うかな!?今やめたらまだ…!)
零哉「まず俺ら友達にならない?」
ゆま「………え?」
イキイキした顔で提案する零哉を見てパチクリするゆま。
零哉「他人じゃなければいんだよね?これでもう他人じゃなくね!?」
ゆま「え…、最初から別に他人では…」
ゆま(というかそうゆう意味じゃない。他人とか他人とかじゃなくてあれはニュアンスっていうか、手を繋ぎたくないって話で…)
零哉「あ、マジ!?最初から友達って思っててくれたってこと!?」
ゆま「えぇっ!?」
ゆま(そうも言ってない!)
何か言いたいのに零哉がどんどん話を進めていくせいで口を開けたまま困った表情しか出来ないゆま。
零哉「じゃあ、ゆまでいっか!」
ゆま「えっ」
零哉「俺は何でも形から入りたい派だから!」
零哉「俺のことは零哉でいいし」
説明文:ただの、クラスメイトー…
だと思ってたんだけどなぁ。
体育祭実行委員「じゃあまず手を繋いでくださーい!」
ドキッとその場で固まる。いつもより心臓の音が大きく響いている。
体育祭実行委員のお手本を見ながら手を出す零哉、でもなかなか手を出せずドギマギするゆま。近付かなきゃいけないところで一歩離れてしまって、手を出すことに躊躇する。
零哉「あ、その手があったか!」
何か思い付いたようにハッと目を大きくする。眉をハの字にして不安そうに零哉を見るゆま。
ゆま(その手…?)
零哉「俺をじゃがいもだと思いなよ!」
瞬きをするのも忘れるくらい驚いて目を丸くする。
零哉「1回友達やめるわ、俺じゃがいもになる!」
零哉をの本気の顔に思わず笑ってしまうゆま、声を吹き出してしまう。くすくすと小さく笑う。
零哉「いや、笑ってるけど俺まじめに言ってるからね!?」
ゆま「だって友達からじゃがいもってだいぶ下がったなって」
今度はあはははと声を出して笑う。その姿に微笑ましい表情を見せる零哉。
まだまだ笑い続けるゆま、やっと見られてることに気付く。
零哉「ゆま、笑うと超かわいい!」
顔を赤くして照れるゆま、笑うのをやめる。
零哉「笑ってなよ」
零哉「笑っときゃ何とかなるからさ!」
零哉の笑った顔にドキドキするゆま。さっきとは違うドキドキに頬を赤くする。
零哉「もしくはさぁ、ゆまが無表情を習得するって手も考えたんだけど」
ゆま「無表情を習得する?」
零哉「あれだけ虚無になれば何も動じないでイケるのかなって」
由比・千鶴ペアの方を見る。千鶴と手を繋ぎながら一切表情筋の動かない顔で踊る由比。
零哉「由比に教えてもらって」
ゆま「それは難しそう!」
ゆまを見て微笑む零哉。
零哉「じゃあ俺今日からじゃがいもになる練習しよ」
説明文:今まで男の子とわざと離れるみたいに過ごして来た。
わざと避けてた。自分からは近寄らないようにって…
でも近付いていいかもしれないって思った、零哉くんになら。
零哉に出された手を取るゆま。
○学校・帰り道
体育のことを思い返しながら1人で歩いて帰るゆま。
ゆま(でもちょっと緊張しちゃったけどね…!)
ゆま(汗かいちゃってた、手にじわって…っ)
説明文:それでも、零哉くんはー…
零哉くんみたいな人ならよかったのかな。そしたらあの時だってあんな思いはしなくてもよかったかもしれない。
立ち止まって目を閉じる、思い返す。
説明文:あの時みたいな…
“別れよう、俺のこと嫌いなんでしょ”
幸田隼太(ゆまの元カレ/別の学校)「ゆまっ!」
名前を呼ばれてハッとして目を開けて振り返る、目を開いて驚く。向き合うゆまと隼太。
ゆま「隼太くん…」
トイレから出て来たゆまにテンション高く千鶴が駆けて来る。
千鶴「ゆま~!!!」
千鶴「聞いて!体育祭のペアダンス、由比くんとペアになれたの~!」
ゆま「え、ほんとに!?すごいじゃん!!」
ゆま「由比くん誘ってくれたんだ?」
千鶴「うん!零哉にちょーっと手伝ってもらってちゃったけど」
零哉の名前を聞いて、昨日のことを思い出す。
零哉“俺とペアにならない?”そのせいでドキッと変に反応してしまうゆま。
ゆま「そ、そうなんだ!よかったね!千鶴、由比くんと一緒がいいってずっと言ってたもんね!」
千鶴「うん、あとはこれからかなぁ♡」
ゆま「え?」
千鶴「だってこれでカップルになれるかもしれないから!」
嬉しそうな表情で意気込む千鶴を羨む視線を送るゆま。
千鶴「今はペアになれただけでいいよ!うれしいから!」
千鶴「あ、私もトイレ行って来る!」
トイレに入っていく千鶴を見送って、教室へ戻ろうと廊下を歩き出そうとした時由比が現れた。何も言わずじーっとゆまを見つめ、圧倒されるゆまは何も言えずに見つめ返す。
由比「……。」
ゆま(え、何…なんだろ、ずっと見られてるよね?)
由比「…。」
ゆま「……。」
ゆま(本当に何!?)
ゆま「えっと…由比くん、何か私に用かなぁ?あ、千鶴!?千鶴なら今お手洗いに…」
由比「……。」
ゆま(違うの!?何なの!?せめて何か言ってくれない!?)
由比「…芹澤、零哉とペアになったんだ」
ゆま「あ…うん、そう…」
由比「ふーん」
鋭い目つきでゆまを見る由比、それに怯えるゆま。
ゆま(本当何なの!?怖い!!!)
○教室
由比のところから走って逃げて戻って来る。
ゆま(さっきの何だったの?すごい怖かったんだけど、本当何考えてるのかわからない…千鶴、由比くんのどこがいいんだろう?やっぱ顔かなぁ…)
教室に戻って来て席につこうとするゆまを手を振って呼びかける零哉。
零哉「芹澤さぁーん!」
ゆま、零哉のもとへ。
教室の後ろに貼り出された紙を指差す零哉。
零哉「俺ら名前書いといていい?」
指差した紙:体育祭のペアダンス 決まった人は名前を書いてください!体育祭実行委員
ゆま「うん、書いてくれて大丈夫!」
零哉「おけ~!じゃあ今書いちゃうわ」
ゆま(もう千鶴たち名前書いてる)
ゆま「……。」
ゆま(さっきの由比くん本当何だったんだろう…)
零哉が持っていたシャーペンで名前を書く。荘田零哉、と書いた隣に芹澤ゆまの名前を書く。
零哉が名前を書く姿を見てなぜかドキドキするゆま。
ゆま(引き受けちゃった…荘田くんの相手、絶対にペアダンスはやらないって思ってのに)
ゆま(なんでやる気になっちゃったんだろう、自分…)
突然ざわつく教室。
クラスメイト男子①「はぁーーーーっ!零哉、芹澤さんとやんの!?」
クラスメイト男子②「俺、狙ってたんだけど!」
クラスメイト男子③「俺なんか断られたわ!」
ゆま(なになになになに!?そんなにっ、そんなに言われることなの!?)
ゆま(私なんて全然大したことないよ…!)
クラスメイト女子①「私だって零哉に誘われるの待ってたし!」
クラスメイト女子②「わかる、ひそかにね」
クラスメイト女子③「芹澤さんとなんだ~!?それなら仕方ない気も…する!」
クラスメイト男子④「仕方ないどころか当たり前だろ!」
ゆま(なんか…荘田くんって、そうなの?)
チラッと隣で名前を書き終わった零哉のことを見る。微笑み返される。
ゆま(荘田くんって人気なんだーーー!?)
○教室(昼休み)
ゆまの机で千鶴とお弁当を食べる。前の席の千鶴は後ろを向いて、お弁当を広げている。
千鶴「ゆま知らなかったの?同じクラスなのに」
ゆま「そーゆうのは全然…」
千鶴「零哉、人気だよ」
ゆま「そうだったの…?」
千鶴「あんな感じであっけらかんとしてるけど、明るくてそれなりに優しいから人気だよ」
千鶴「思ったことは言っても人の嫌がることは言わないしね」
ゆま「……。」
千鶴「私は絶対由比くんだけど♡」
ゆま(そうなんだ、そんな人だったんだ…でも…)
ゆま(その理由はわかる気がする、私も)
○学校・グラウンド(体育の時間)
ペアが決まって初めての練習。男女合同の体育。
体育祭実行委員が前に出て本番でやるダンスを踊っている。ペアごとに並んでゆまと零哉は後ろの方に並んでいる。
ゆま(思ってたよりくっつくシーン多い…手繋いだりハイタッチしたり…)
あわあわ緊張し出すゆまに気付いた零哉。
零哉「芹澤さん緊張してる?」
ゆま「えっ、いや…ちょっとだけね」
俯くゆま。
ゆま(やっぱりやめといた方がよかったかもしれない、荘田くんにも迷惑かけちゃうし。まだ間に合うかな!?今やめたらまだ…!)
零哉「まず俺ら友達にならない?」
ゆま「………え?」
イキイキした顔で提案する零哉を見てパチクリするゆま。
零哉「他人じゃなければいんだよね?これでもう他人じゃなくね!?」
ゆま「え…、最初から別に他人では…」
ゆま(というかそうゆう意味じゃない。他人とか他人とかじゃなくてあれはニュアンスっていうか、手を繋ぎたくないって話で…)
零哉「あ、マジ!?最初から友達って思っててくれたってこと!?」
ゆま「えぇっ!?」
ゆま(そうも言ってない!)
何か言いたいのに零哉がどんどん話を進めていくせいで口を開けたまま困った表情しか出来ないゆま。
零哉「じゃあ、ゆまでいっか!」
ゆま「えっ」
零哉「俺は何でも形から入りたい派だから!」
零哉「俺のことは零哉でいいし」
説明文:ただの、クラスメイトー…
だと思ってたんだけどなぁ。
体育祭実行委員「じゃあまず手を繋いでくださーい!」
ドキッとその場で固まる。いつもより心臓の音が大きく響いている。
体育祭実行委員のお手本を見ながら手を出す零哉、でもなかなか手を出せずドギマギするゆま。近付かなきゃいけないところで一歩離れてしまって、手を出すことに躊躇する。
零哉「あ、その手があったか!」
何か思い付いたようにハッと目を大きくする。眉をハの字にして不安そうに零哉を見るゆま。
ゆま(その手…?)
零哉「俺をじゃがいもだと思いなよ!」
瞬きをするのも忘れるくらい驚いて目を丸くする。
零哉「1回友達やめるわ、俺じゃがいもになる!」
零哉をの本気の顔に思わず笑ってしまうゆま、声を吹き出してしまう。くすくすと小さく笑う。
零哉「いや、笑ってるけど俺まじめに言ってるからね!?」
ゆま「だって友達からじゃがいもってだいぶ下がったなって」
今度はあはははと声を出して笑う。その姿に微笑ましい表情を見せる零哉。
まだまだ笑い続けるゆま、やっと見られてることに気付く。
零哉「ゆま、笑うと超かわいい!」
顔を赤くして照れるゆま、笑うのをやめる。
零哉「笑ってなよ」
零哉「笑っときゃ何とかなるからさ!」
零哉の笑った顔にドキドキするゆま。さっきとは違うドキドキに頬を赤くする。
零哉「もしくはさぁ、ゆまが無表情を習得するって手も考えたんだけど」
ゆま「無表情を習得する?」
零哉「あれだけ虚無になれば何も動じないでイケるのかなって」
由比・千鶴ペアの方を見る。千鶴と手を繋ぎながら一切表情筋の動かない顔で踊る由比。
零哉「由比に教えてもらって」
ゆま「それは難しそう!」
ゆまを見て微笑む零哉。
零哉「じゃあ俺今日からじゃがいもになる練習しよ」
説明文:今まで男の子とわざと離れるみたいに過ごして来た。
わざと避けてた。自分からは近寄らないようにって…
でも近付いていいかもしれないって思った、零哉くんになら。
零哉に出された手を取るゆま。
○学校・帰り道
体育のことを思い返しながら1人で歩いて帰るゆま。
ゆま(でもちょっと緊張しちゃったけどね…!)
ゆま(汗かいちゃってた、手にじわって…っ)
説明文:それでも、零哉くんはー…
零哉くんみたいな人ならよかったのかな。そしたらあの時だってあんな思いはしなくてもよかったかもしれない。
立ち止まって目を閉じる、思い返す。
説明文:あの時みたいな…
“別れよう、俺のこと嫌いなんでしょ”
幸田隼太(ゆまの元カレ/別の学校)「ゆまっ!」
名前を呼ばれてハッとして目を開けて振り返る、目を開いて驚く。向き合うゆまと隼太。
ゆま「隼太くん…」