ひとりだけ
「そうだよな、ごめん、ちょっと弱気になってたわ。マジで」
「きっと大丈夫だよ!」
しょんぼりする大成に、マミが励ますように言った。
(…………)
「『ひとりだけ』助からないとか、『ひとりだけ』助かるとか、そういうの、やだよね〜」
何気なく呟いたマミの言葉に、信と祐子は顔を見合わせた。
「……そういう意味の『ひとりだけ』じゃないことを、祈るしかないよね」
「そうだね……」
『みんなで協力』を強調していた信の声に。
頼りない、自信の無さが見えた気がした。