ひとりだけ

「えっ？　でもさっき、オレと同中って言ってたじゃん。思い出したんじゃないの？」

「それは大成が先に、中学時代の私が悪いって言ったから。大成のことは思い出していなくても、同中だったって推測はできたの」



祐子が、
「話、戻してくれる？」
と、苛立っている。



「いや……、言っていいのか？」
と、大成はマミを見る。



「……仕方ないよ、事実だもん」



（何だろう？）



そう思っていると、大成が意を決した様子でこう言った。






「マミが、彩綾をいじめてたんだよ」






「いじめ？」
と、信と祐子の声が揃う。



マミは俯く。






「彩綾がいじめられていて、それが問題になって……、マミは彩綾を脅してた」






「脅すって……」



信がマミを見る。

マミは、
「……問題を大きくした彩綾に言ったの。余計なことを言うなって」
と、小さな声で答えた。