ひとりだけ
「そんな……」
と、大成はショックを受けているようだった。
「あんた達なんか、小説の“悪魔”に食べられちゃえばいいのよ!! 私の人生から、いなくなればいいのよ!!」
「……えっ、ちょっと待って」
と、祐子。
「あなたが、“悪魔”なんじゃないの? 彩綾」
「……違う」
と、彩綾は私を見た。
目が合うと、すっきりした顔立ちの美人であると思った。
(信の好みではないらしいけれど)
「違うの、私は……」
彩綾が苦しそうに話す。
「私は、みんなをここに連れて来た……。みんなを巻き込んだの」
「っていうことは、彩綾は……」
「私は“召喚した人”。みんなを、ここに“召喚”した」