ひとりだけ

「そんな……」
と、大成はショックを受けているようだった。



「あんた達なんか、小説の“悪魔”に食べられちゃえばいいのよ!! 私の人生から、いなくなればいいのよ!!」



「……えっ、ちょっと待って」
と、祐子。






「あなたが、“悪魔”なんじゃないの? 彩綾」









「……違う」
と、彩綾は私を見た。



目が合うと、すっきりした顔立ちの美人であると思った。



(信の好みではないらしいけれど)



「違うの、私は……」



彩綾が苦しそうに話す。



「私は、みんなをここに連れて来た……。みんなを巻き込んだの」

「っていうことは、彩綾は……」






「私は“召喚した人”。みんなを、ここに“召喚”した」











< 47 / 59 >

この作品をシェア

pagetop