ひとりだけ
ショートヘアが怪訝な表情で、私を見ている。
とりあえず会釈をしてみるものの、私はショートヘアを苦手な女性だ、と思い始めた。
その時、キョロキョロしだした金髪に、
「どうしたの?」
と、銀縁メガネが尋ねる。
「いや、水……。この部屋に水道とか、通ってないの!?なんもねぇじゃん!!」
「水が飲みたいの? わかるけど、我慢するしかないかも」
と、ショートヘアが言うと、
「ちげぇよ! 手に血がついてるとか、マジ可哀想だから、洗えねぇかなって思ったんだよ」
金髪が面倒くさそうに答える。
私は金髪にお礼の意味を込めて、軽く頭を下げておいた。
私の手は真っ赤だけど、その血も乾燥していて、もうあまり気にしないでおこうとさえ思える。
(金髪は、意外と優しいんだな……)
「……ってか」
と、金髪は頭を掻く。
「あんたら、誰?」
金髪の言葉に、また泣いている女性の肩が震えた。