この想いが、キミに届きますように。
藍は卵焼きが大好きで、特に私のお母さんの作る卵焼きは最高のようで、おかず交換のときはいつも美味しそうに頬張っている。
「じゃあ、はい!凜もどうぞ」
「あ、ありがとう。なら、このタコさんウインナーもらおうかな」
差し出されたお弁当箱の中をにあるそれを、お箸で摘んで口に運んだそのとき、ふいに横から声がかかった。
「ごめん、今ちょっといい?」
ふたり同時に顔を上げると、そこには藍と仲良しの女の子が教科書を抱えて立っている。
「大丈夫だよ。どうしたの?」
「さっきそこで松田先生に会って、一時に職員室に来てほしいって伝えてくれって」
「え、松田先生が?……何の用だろ?」
松田先生というのは、数学担当の男の先生で私たちのクラスも受け持ってくれている人だ。