この想いが、キミに届きますように。
「……凜?」
「え、あ!ごめん、ついボーッとしちゃってた」
「それはいいけど……。藍は?アイツと一緒じゃねぇの珍しいじゃん」
「あ……、それがさっき松田先生に職員室に呼ばれちゃって……」
「……何したんだよ、アイツ」
私が事情を説明すると、彼はジト目で職員室がある方へと視線を流した。
「ま、いいや。……おまえが元気そうで安心した」
視線を私に戻してそう言うと、彼は穏やかな表情でぽつりと口にした。
予想外の言葉と普段見ないその表情に、反応がワンテンポ遅れる。
「えっ、あ……、うん。元気にやってるよ」
「またなんかあったら、今度はちゃんと言えよ。おまえ溜め込む癖あるし」
「溜め込んでるつもりなかったんだけど……。でも、ありがとう」
「ん」
彼が頷いたその直後、廊下から複数人の足音と話し声が聞こえてきた。