この想いが、キミに届きますように。
そんなクラスもとい学校だからか、共学というより女子校のような雰囲気。
それが妙に落ち着いて、私はこのクラスに居心地の良さを感じていた。
……ただ、ひとつ気になることがあるとするなら──。
「凜、おはよ!」
「おはよう、藍」
扉を開ける音と同時に、明るい声が教室中に響く。
サイドを編み込んだポニーテールが揺れて、彼女の活発な性格を表しているようだった。
そんな彼女の名前は、原田 藍。
小学校からの付き合いの彼女は内気な私の良き理解者で、いつも一緒にいてくれる心強い存在。
「外眺めてたけど、なんかあった?」
「あ、ううん。ただ風が気持ちよくていいなぁって」
「たしかに。だんだん涼しくなってるもんね」
鞄を自分の席に置いて私の隣に立つと、窓辺から同じ風を感じて嬉しそうに微笑んだ。