この想いが、キミに届きますように。

そんなクラスもとい学校だからか、共学というより女子校のような雰囲気。


それが妙に落ち着いて、私はこのクラスに居心地の良さを感じていた。



……ただ、ひとつ気になることがあるとするなら──。



「凜、おはよ!」

「おはよう、(あい)


扉を開ける音と同時に、明るい声が教室中に響く。
サイドを編み込んだポニーテールが揺れて、彼女の活発な性格を表しているようだった。



そんな彼女の名前は、原田 藍(はらだ あい)
小学校からの付き合いの彼女は内気な私の良き理解者で、いつも一緒にいてくれる心強い存在。


「外眺めてたけど、なんかあった?」

「あ、ううん。ただ風が気持ちよくていいなぁって」

「たしかに。だんだん涼しくなってるもんね」


鞄を自分の席に置いて私の隣に立つと、窓辺から同じ風を感じて嬉しそうに微笑んだ。

< 2 / 48 >

この作品をシェア

pagetop