この想いが、キミに届きますように。
少女漫画ほど露骨に黄色い歓声や悲鳴が上がるわけではないけれど、彼が目立つ存在でモテる男だというのはこれまで幾度となく近くで見てきたから、それはもうよく知っている。
そんな彼と、普段 (表面上では) 用があるときにしか会話をしない私が一緒になんていたら変な噂が立って、今後の学校生活が危うくなってしまうかもしれない。
それはきっと、私だけじゃなくて、彼の方も……。
もしかしたら杞憂かもしれないけれど、それでも気をつけるに越したことはないだろう。
「……うん、そうだね」
コクリと頷いて、私は教室に向かって歩き出す。
「お、おはよ……」と少し緊張気味に挨拶すると、元気のいい挨拶が次々と返ってくる。
そのことに内心少しホッとしながら席に着くと、鞄を置いたタイミングで後ろの席の月島くんに声をかけられた。