この想いが、キミに届きますように。
最近あちこちでその話題が飛び交っていたがために、嫌でも耳に入ってきて、いつの間にかそんな内情まで詳しくなってしまっていた。
それは当然私だけではなく、みんなの耳にも入っているため、先生の呼びかけに安易に反応を返せないでいる、というわけだ。
静まり返った教室を見渡して、ちいさくため息をつくと、先生は慣れた手つきで教卓の中から箱を取り出し、それを教卓の真ん中にドン、と置いた。
「平等にくじ引きすんぞ。ほら、順に引いてけ」
先生の言葉に、クラスの女子たちの大ブーイングが響き渡る。
まぁ、そうなるよね、なんて苦笑いを浮かべながら、「文句言わずに引け」と言う先生の言葉に促され、私は少し重い腰を上げて、教卓の前に並んだのだった。